本間医師 新型コロナウイルスについて その20

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『新型コロナウイルスの変異(進化)について』

新型コロナウイルスのウイルス変異について論文が出て来ており、それに対してたくさんの解説記事が出ています。

 

S型とL型に分類

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200305-00010000-kantele-soci&p=1

元論文は以下になります。

https://academic.oup.com/nsr/advance-article/doi/10.1093/nsr/nwaa036/5775463

 

A、B、Cの3型に大別

https://www.asahi.com/articles/ASN4B3HVLN49UBQU007.html

元論文は以下になります。

https://www.pnas.org/content/early/2020/04/07/2004999117

 

3123株についての遺伝子の系統図を公開しているサイトもあります。

https://www.gisaid.org/epiflu-applications/next-hcov-19-app/

 

これらをみると、コロナウイルスがどのように進化して、世界中に広まっていくのかが良くわかります。一方で、ウイルスがどんどん変異して進化しているという表現に、何となく不安を感じる人が多いように思います。

 

今回の記事は、ウイルスの変異と、とても誤解されているウイルスの「型」について解説します。

 

ウイルスの変異とは、ウイルスのもつ遺伝子(体の設計図)の変異で、ウイルスの進化と考えていいでしょう。人の遺伝子(DNA)はほとんど変化しませんが、ウイルスの遺伝子の変異はウイルスにとっては当たり前の日常的なことになります。

 

ウイルスが変異した場合、性格が凶悪になる場合も穏やかになる場合もありますが、多くの場合はすぐに大きく変わることはありません。凶悪なウイルスの場合は、大抵変異すると徐々に性質がマイルドになります。ウイルスの致死率が高く、すぐに人が死んでしまうと自分自身も生きることができなくなり、ウイルスにとっても都合が悪いからです。

 

新型コロナウイルスはRNAウイルスです。RNAウイルスというのは、遺伝子としてDNAではなくRNAを持っているという意味です。RNAウイルスは、DNAウイルスに比べて、とても変異が速いという特徴があります。

 

変異の早いウイルスの代表は、同じRNAウイルスであるインフルエンザウイルスです。どのくらい早いかと言うと、1人の感染した人の体内で大量に増えると数百種類になっている程です。

 

この内、増えたすべての種類のウイルスが生き残り、広がっていくのではなく、増えやすい、他人にうつりやすいウイルスが優先的に次の人にうつっていきます。つまり、極端な話、1人の人に感染して次の人に移る時には、すでに違う遺伝子を持つウイルスになっていることもあるということです。

 

コロナウイルスは遺伝子の修復酵素(変異をもとに戻す酵素)を持ちますので、変異のスピードはインフルエンザウイルスほどではありません。それでも約15人への感染をすると1回程の頻度でウイルス変異があるのではないかと考えられています。

 

例えばインフルエンザウイルスには、A,B,Cの3つの型があります。このうち最も頻度の多いA型は、さらに144種類の亜型に分けられます。インフルエンザウイルスはウイルス表面に2種類の突起(HAとNA)をもち、それぞれの15種類と9種類ありますので、15×9=144種類の組み合わせになります(例えば、これをH1N1、H9N5などと書きます)。

 

しかし、これは大まかな分類であり、実は細かい遺伝子の違いでみると、それぞれの亜型の中には、さらに何百万種類もの変異したウイルスがあります。感染した人の数だけ違うウイルスがあると考えてもいいくらいです。そのたくさんあるウイルスを大雑把に(正確には抗原性の違いにより)144種類に分類しているのです。

 

ここからが重要ですが、ここで出てきた型、亜型というのは正確には「血清型」あるいは「遺伝子型」になります。この型(亜型)が違えば、全体の30%以上の遺伝子変異(正確にはアミノ酸配列=タンパク質の違い)がみられるのが普通です。

 

一方、今たくさんの記事でコロナウイルスの変異や違う型が出ていると解説されている型というのは、正確には遺伝子の細かい違い(全体の約0.2%ほど)であり、「型」というほどの違いではまったくありません。

簡単に説明すると、COVID-19の変異したたくさんのウイルスは、遺伝子でみるといくつかの細かい変異が(当たり前に)みられまずが、すべて同じ一つの(血清)型になります(もちろん血清型がわかっていないので推測になりますが)。

 

なぜこの違いが重要であるかというと、通常は同じ型に含まれるたくさんのウイルスには同じ抗体(中和抗体=免疫)が有効だからです。

 

つまり、COVID-19で今のところ報告されているウイルスの変異は、インフルエンザのように、新しい型のコロナウイルスが次々と出て来ている訳ではありません。

 

一つの同じ型の中で、細かい変異をしているものが当たり前に生まれており、それが数百種類確認されたということなのです。一つの同じ型内のことですので、通常は免疫(中和抗体)ができれば、今変異してできている少し違うコロナウイルスに感染することはないと考えられます。

 

ですから、次々にウイルスが変異しているために

〔髪屬効かない

△垢阿貌韻厳燭忘憧鏡する

すぐに違う型のウイルスに感染する

ご鏡者もワクチンが必要になる

ニ菁違うワクチンが必要になる

ADE(抗体依存性免疫増強といい重症化し死に至る病態)を起こす

というのは、遺伝子変異の面からは当てはまらないことになります。

 

COVID-19では抗体が免疫と関係しているかどうか(再び感染しないか、他人にうつさないか)の結論には慎重な意見もあります。今回の記事は一般的なウイルスをベースに解説しています。

 

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※新型コロナウイルスに関して まとめリンク

2020.04.29 Wednesday  
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